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“株式会社 NR企画のお知らせ”
市川市にある「株式会社 NR企画」のお休みや不動産売却に関するお役立ち情報ほか、新しいニュースをこちらのブログで日々発信しています。気になるものがありましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。
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不動産コラム
2025/10/20
不動産の相続税はいくらかかる?
基礎控除や特例の使い方
「親から実家を相続する予定だけど、相続税がいくらかかるか不安」「不動産があると相続税が高くなると聞いたけど、節税する方法はないの?」このような悩みを抱えている方は少なくありません。 結論から言えば、不動産の相続税は特例を活用することで大幅に減額できます。特に市川市で不動産を相続する場合、適切な評価方法と制度の理解が納税額を左右する重要なポイントになります。 不動産は現金のように簡単に分けられないため、相続税の計算や納税が複雑になりがちです。しかし基礎控除や小規模宅地等の特例を正しく理解すれば、想像以上に税負担を抑えられる可能性があります。 この記事では、不動産の相続税がいくらになるのか、基本的な計算方法から税額を大きく減らせる特例の使い方まで、実例を交えながら解説していきます。株式会社NR企画では市川市の相続不動産に関する相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。 目次 まずは知っておきたい!相続税の基本 不動産の相続税評価額を計算する 相続税を劇的に減らす2つの特例 事例でわかる!相続税のシミュレーション まとめ:早めの対策で無駄な税金をなくす 1. まずは知っておきたい!相続税の基本 相続税は全ての相続で発生するわけではありません。遺産総額が一定額を下回る場合、申告も納税も不要になります。 この「一定額」とは基礎控除額のことで、多くの方が最初に確認すべき重要な指標です。基礎控除額を理解することで、そもそも相続税がかかるのか、それとも非課税なのかを判断できます。 1-1. そもそも相続税は必ずかかるわけではない 相続税には基礎控除という仕組みがあり、遺産総額が基礎控除額以下であれば、相続税は一切かかりません。 この点を理解しているかどうかで、不必要な心配を避けられます。 実際、国税庁の公表では、令和5年分の課税割合は9.9%です。つまり、約10人に1人が相続税の対象となっており、多くの相続では相続税が発生していないのが現状です。 出典: 相続税の改正に関する資料|財務省|https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/property/e02.htm 1-2. 基礎控除額の計算方法 基礎控除額は次の計算式で求められます。 基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数) 出典: No.4152 相続税の計算|国税庁| https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm 具体的な例で見ていきましょう。 法定相続人の数 計算式 基礎控除額 1人(子のみ) 3,000万円 + 600万円 × 1人 3,600万円 2人(配偶者と子) 3,000万円 + 600万円 × 2人 4,200万円 3人(配偶者と子2人) 3,000万円 + 600万円 × 3人 4,800万円 4人(配偶者と子3人) 3,000万円 + 600万円 × 4人 5,400万円 法定相続人が増えるほど基礎控除額も大きくなるため、相続税がかかる可能性は低くなります。ただし、法定相続人の数には一定のルールがあるため、正確な判断には専門家の助言が有効です。 1-3. 相続税の計算ステップ 相続税は以下の4つのステップで計算します。シンプルに見えますが、各段階で適切な評価と判断が求められます。 ステップ1:遺産総額の算出 現金、預金、不動産、有価証券など、全ての相続財産の評価額を合計します。不動産の評価方法については次章で詳しく解説しますが、時価とは異なる評価額が用いられる点に注意が必要です。 ステップ2:課税遺産総額の計算 遺産総額から基礎控除額を差し引いて、「課税遺産総額」を求めます。この金額がマイナスになる場合は、相続税が発生しません。 ステップ3:相続税の総額を算出 課税遺産総額を法定相続分で取得したと仮定し、各相続人の税額を計算して合計します。この段階では実際の相続割合ではなく、法定相続分で計算する点がポイントです。 ステップ4:各人の納税額を確定 実際に相続した財産の割合で按分し、配偶者の税額軽減などの各種控除を適用して、最終的な納税額を算出します。 ✓ポイント: 相続税の計算は複雑に見えますが、基礎控除額を超えなければ申告不要です。まずは遺産総額と基礎控除額を比較することから始めましょう。また、特例を適用することで課税遺産総額を大幅に圧縮できるため、後述する特例の理解が節税の鍵となります。 2. 不動産の相続税評価額を計算する 不動産の相続税評価額は、固定資産税評価額や時価とは異なる方法で算出されます。この評価方法を理解することで、実際の相続税額を正確に把握できます。 理由は、相続税法で定められた評価基準があり、一般的に時価よりも低めに評価される仕組みになっているからです。特に土地の評価には路線価や倍率方式といった独自の計算方法が用いられます。 2-1. 土地の評価方法 土地の評価方法は、所在地によって2つに分かれます。 出典: No.4602 土地家屋の評価|国税庁|https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4602.htm 路線価方式 路線価方式は、国税庁が毎年7月頃に公表する路線価(道路に面する土地の1㎡あたりの価格)を基準に評価する方法です。市川市のような都市部では、この方式が適用されるケースが多くなっています。 計算方法は「路線価 × 土地面積 × 各種補正率」となり、土地の形状や接道状況によって補正が加えられます。例えば、角地であれば評価額が上がり、不整形地であれば下がるといった調整が行われます。奥行価格補正や間口狭小補正など、様々な補正率を反映して正確な評価額を算出します。 出典: No.4604 路線価方式による宅地の評価|国税庁| https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4604.htm 出典: 令和6年分の路線価等について|国税庁| https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2024/rosenka/index.htm 倍率方式 路線価が定められていない地域では、倍率方式を用います。これは固定資産税評価額に、国税庁が定める倍率をかけて算出する方法です。 計算式は「固定資産税評価額 × 倍率」となり、路線価方式よりもシンプルな計算で済みます。倍率は地域ごとに異なり、国税庁のウェブサイトで確認できます。 2-2. 建物の評価方法 建物の評価は土地に比べて比較的シンプルです。 原則:固定資産税評価額をそのまま使用 建物は原則として、毎年送付される固定資産税の納税通知書に記載された「固定資産税評価額」が、そのまま相続税評価額となります。国税庁は建物評価を固定資産税評価額×1.0と定めており、時価比率は一律の公式として示されていません。 例外:賃貸物件の場合はさらに減額 他人に貸している賃貸物件(貸家)の場合、さらに評価額が減額されます。具体的には「固定資産税評価額 ×(1 - 借家権割合 × 賃貸割合)」で計算され、借家権割合は通常30%です。 例えば、固定資産税評価額が3,000万円の賃貸アパートで賃貸割合が100%の場合、相続税評価額は「3,000万円 ×(1 - 0.3 × 1.0)= 2,100万円」となり、900万円も評価額が下がります。 ✓ポイント: 不動産の相続税評価額は、国税庁が定める評価方法に基づいて算出されます。土地は路線価方式または倍率方式で、形状・接道等の補正を反映します。建物は原則、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。正確な評価には専門知識が必要となるケースも多いため、市川市内の不動産であれば地域に詳しい専門家への相談が有効です。 3. 相続税を劇的に減らす2つの特例 特例をうまく活用すれば、相続税を大幅に減額できます。ただし、適用には要件を満たす必要があり、必ず申告が必要になる点に注意が必要です。 なぜなら、これらの特例は適用要件が厳格に定められており、要件を満たしていても申告しなければ特例を受けられないからです。特に小規模宅地等の特例は節税効果が非常に大きいため、確実に活用したい制度です。 3-1. 小規模宅地等の特例 小規模宅地等の特例は、被相続人が住んでいた宅地や事業用宅地を相続した場合、宅地の評価額を最大80%減額できる制度です。この特例の節税効果は絶大で、数千万円単位で相続税が減額されるケースも珍しくありません。 特例の適用範囲は居住用だけでなく、事業用や貸付事業用にも及びます。それぞれ減額割合と限度面積が異なるため、正確な理解が必要です。 出典: No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁| https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm 適用要件と区分 宅地の区分 減額割合 限度面積 主な要件 居住用宅地 80% 330㎡ 配偶者:無条件/同居親族:居住・保有継続/家なき子:細要件充足 事業用宅地 80% 400㎡ 事業継続要件など 貸付事業用宅地 50% 200㎡ 貸付事業継続要件など 取得者別の要件(居住用宅地の場合) 配偶者の場合 配偶者は無条件で特例を適用できます。居住継続要件や所有継続要件がないため、最も確実に特例を受けられる立場にあります。 同居親族の場合 被相続人と同居していた親族は、相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月)まで、その宅地に居住し続け、かつ所有し続けることが条件となります。申告期限前に売却したり、引っ越したりすると特例を受けられません。 家なき子の場合 被相続人と同居していなかった親族でも、一定の要件を満たせば特例を適用できます。主な要件は以下の通りです。 相続開始前3年間に自己または配偶者の持ち家に住んでいないこと 相続開始時に住んでいる家屋を過去に所有したことがないこと 被相続人に配偶者がいないこと その他細かな要件を全て満たすこと 併用上限への注意 複数の区分を併用する場合、居住用330㎡+事業用400㎡=最大730㎡などの合算制限があります。全ての宅地に満額適用できるわけではない点に注意が必要です。 注意点 特例を適用するには、遺産分割を確定させて申告期限内に申告する必要があります。遺産分割が決まらず申告期限を過ぎてしまうと、原則として特例は適用できません。ただし「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出すれば、後日適用できる場合もあります。 3-2. 配偶者の税額軽減 配偶者の税額軽減は、配偶者が取得した遺産について、「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い方の金額まで相続税がかからない制度です。この制度により、多くのケースで配偶者の相続税はゼロになります。 出典: No.4158 配偶者の税額の軽減|国税庁| https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4158.htm 例えば、遺産総額が2億円で配偶者が1億円を相続した場合、1億6,000万円以下なので配偶者の相続税は発生しません。また、遺産総額が3億円で法定相続分が2分の1(1億5,000万円)の場合、配偶者が2億円を相続しても1億6,000万円まで非課税となります。 適用要件 この特例を受けるには、申告期限までに遺産分割が完了していることが必要です。分割が未了の場合は原則として適用できませんが、「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出することで、後日適用が可能になる場合があります。 二次相続への影響 この制度は非常に有利ですが、一次相続で配偶者の税額軽減を使いすぎると、二次相続(配偶者の死後)の相続税が高くなることがあるため、注意が必要です。 理由は、一次相続で配偶者が多くの財産を相続すると、配偶者の死亡時(二次相続)に法定相続人が減り、基礎控除額が下がるからです。さらに、配偶者の税額軽減も使えなくなるため、トータルの税負担が増える可能性があります。 そのため、一次相続の段階で二次相続も見据えた遺産分割を検討することが、長期的な節税につながります。 ✓ポイント: 小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減を組み合わせることで、相続税を大幅に削減できます。ただし、特例を受けるには必ず申告が必要であり、分割が完了していることが要件となります。また、配偶者の税額軽減は二次相続も考慮して活用する必要があり、小規模宅地等の特例は併用上限や細かな要件があるため、相続専門の税理士と相談しながら最適な遺産分割を検討することをおすすめします。 4. 事例でわかる!相続税のシミュレーション 具体的な事例を使って、相続税がどれくらい変わるのかシミュレーションしてみます。数字で見ることで、特例の効果を実感できるはずです。 4-1. 事例設定 以下の条件で相続が発生したケースを想定します。 項目 内容 家族構成 被相続人(父)、配偶者(母)、子2人 遺産総額 1億5,000万円 内訳 自宅不動産6,000万円、現金預金9,000万円 自宅の条件 母は被相続人と同居、特例適用可能 4-2. シミュレーション ステップ1:基礎控除額を計算 法定相続人は3人(配偶者、子2人)なので、基礎控除額は以下の通りです。 3,000万円 +(600万円 × 3人)= 4,800万円 ステップ2:小規模宅地等の特例を適用 自宅不動産(6,000万円)に特例を適用すると、80%減額されます。 6,000万円 ×(1 - 0.8)= 1,200万円(評価額) 特例により、4,800万円の評価減が実現します。 ステップ3:相続税額を計算 出典: No.4155 相続税の税率(速算表)|国税庁| https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm 出典: No.4152 相続税の計算|国税庁|https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm 特例適用前の場合 - 課税遺産総額:1億5,000万円 - 4,800万円 = 1億200万円 - 法定相続分で按分:配偶者5,100万円・子2,550万円・子2,550万円 - 速算表で算出税額: - 配偶者:5,100万円 × 30% - 700万円 = 830万円 - 子:2,550万円 × 15% - 50万円 = 332.5万円 ×2人 - 相続税の総額(算出合計)= 約1,495万円 この総額を実際の分割割合に応じて各人に按分し、配偶者の税額軽減などの税額控除を差し引いて各人の納付税額が確定します(配偶者分は軽減により0円になり得ます)。 特例適用後の場合 - 正味遺産:1,200万円 + 9,000万円 = 1億200万円 - 課税遺産総額:1億200万円 - 4,800万円 = 5,400万円 - 法定相続分で按分:配偶者2,700万円・子1,350万円・子1,350万円 - 速算表で算出税額: - 配偶者:2,700万円 × 15% - 50万円 = 355万円 - 子:1,350万円 × 15% - 50万円 = 152.5万円 ×2人 - 相続税の総額(算出合計)= 約660万円 この総額を実際の分割割合に応じて各人に按分し、配偶者の税額軽減などの税額控除を差し引いて各人の納付税額が確定します(配偶者分は0円になり得ます)。 特例の効果 小規模宅地等の特例を活用することで、相続税の総額は約1,495万円から約660万円へと、約835万円も減少します。さらに配偶者の税額軽減を適用することで、実際の納付税額はさらに抑えられます。正確な最終税額は分割の仕方次第ですが、特例を知っているか知らないかで、これだけの差が生まれるのです。 ✓ポイント: このシミュレーションからわかる通り、特例の活用有無で納税額は大きく変わります。ただし、実際の相続では不動産の評価や遺産分割の方法によって税額が変動するため、個別の状況に応じた専門家のアドバイスが重要になります。 5. まとめ:早めの対策で無駄な税金をなくす 不動産の相続税は、特例の活用によって納税額が大きく変わります。特に小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減は、非常に大きな節税効果をもたらす制度です。 しかし、特例の適用要件(分割要件・居住継続要件など)、併用上限、二次相続への影響など、考慮すべき点は多岐にわたります。複雑な不動産相続においては、相続専門の税理士に相談するのが賢明な選択です。 市川市で不動産の相続や売却を検討されている方は、株式会社NR企画にお気軽にご相談ください。地域に根ざした豊富な経験を活かし、相続不動産の評価から売却まで、トータルでサポートいたします。 早めの対策が、無駄な税金をなくす第一歩です。相続が発生する前から準備を始めることで、より多くの選択肢を持つことができます。不安や疑問があれば、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。適切な知識と準備があれば、相続税の負担を最小限に抑えながら、円滑な相続を実現できるはずです。
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2025/10/18
久しぶりの三為契約

こんにちは! 先日、久しぶりの三為契約(業界用語)、正式には「第三者のためにする契約」を行いました。 詳細は「民法537条」をご参照下さい。 買主様は転売目的ではなく、共同事業者とどちらが取得するかがまだ、決まってない為でした。 なので売主様が不安にならないように丁寧な説明を心がけました。 また、買主様が電子契約を希望されていましたが、売主様のご希望で、通常の書面での契約書にして頂きました。 売主様・買主様、どちらもご希望がありますので、仲介会社として双方の希望を一番良い方向に導けたのかと自負しております。 今後も一軒一軒、丁寧な対応を心がけて取り組んでまいります。 「不動産売却でお困りのことがあればNR企画へ~」
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2025/10/10
長年放置された空き家でも売れる?
売却の工夫とリフォームのコツ
「実家を相続したけど、何年も放置してしまっている」「こんなボロボロの空き家でも売れるのだろうか」このような不安を抱えている方は少なくありません。 結論から言えば、長年放置された空き家でも売却は可能です。市川市でも空き家の売却事例は数多くあり、適切な準備と工夫次第で、想像以上にスムーズな売却が実現できます。 総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によれば、空き家は900万戸、空き家率は13.8%(いずれも過去最多)となっています。2018年(849万戸、13.6%)から増加が続いており、相続をきっかけに空き家を所有するケースが増えている中、放置し続けることで資産価値の低下や税負担の増加、近隣トラブルといったリスクが高まっていきます。 この記事では、長年放置された空き家を売却するための具体的な方法から、少しの工夫で価値を高めるコツ、費用対効果を考えたリフォームのポイントまで、実践的な情報を解説していきます。株式会社NR企画は市川市で空き家売却の豊富な実績を持ち、お客様の状況に応じた最適な売却方法をご提案いたします。 目次 長年放置された空き家を売却する前に知っておくべきこと 売却の工夫:少しのアイデアで価値を高める リフォームのコツ:費用対効果を最大化する まとめ:空き家売却は早期の行動がカギ 1. 長年放置された空き家を売却する前に 知っておくべきこと 空き家を放置し続けることは、様々なリスクを伴います。 まずはそのリスクを正しく理解し、自分に合った売却方法を選択することが重要です。 空き家問題は単なる個人の資産管理の問題ではなく、地域社会全体に影響を及ぼす可能性があります。放置期間が長くなるほど問題は深刻化するため、早期の対策が求められます。 1-1. 放置するリスクを理解する 空き家を放置することで発生する主なリスクは以下の通りです。 資産価値の低下 放置期間が長いほど、建物の劣化が進み、資産価値は下落していきます。雨漏りや湿気による構造部分の腐食、シロアリ被害などが進行すると、建物としての価値がほぼゼロになることも珍しくありません。 特に木造住宅の場合、人が住まなくなると換気が不十分になり、カビや腐食が急速に進行します。数年放置するだけで、リフォーム費用が数百万円単位で増加するケースもあります。 固定資産税の負担増加 住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が小規模住宅用地で6分の1、一般住宅用地で3分の1に軽減されています。 しかし、市区町村長から特定空家等の勧告を受けた敷地は、住宅用地特例が適用除外となります(結果的に本来の課税標準に戻るため、負担が大幅に増加します)。 近隣住民とのトラブル 管理されていない空き家は、倒壊の危険、不法投棄の温床、害虫や野生動物の発生源となり、近隣住民に迷惑をかけます。場合によっては損害賠償を請求されるリスクもあります。 実際に、老朽化した空き家の外壁が剥がれ落ちて隣家の車を傷つけたり、敷地内で発生した害虫が近隣に広がったりするトラブルは全国で発生しています。 法的なリスク 「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、自治体は管理が不十分な空き家を「特定空家等」に指定できます。 指定後、自治体から改善の勧告→命令という手続が進み、命令に従わない場合は過料(非刑罰の行政上の金銭負担)が科される可能性があります。さらに、行政代執行により強制的に解体され、その費用を請求されることもあります。 【参考出典】 - 令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)|総務省統計局 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/g_kekka.pdf - 固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001712029.pdf - 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html - 空家特措法に基づく過料事件について|室蘭市 https://www.city.muroran.lg.jp/life/?content=866 1-2. 売却方法の選択肢を知る 空き家の売却方法には主に3つの選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合った方法を選びましょう。 売却方法 メリット デメリット 向いているケース 仲介 市場価格に近い価格での売却が期待できる 売却に時間がかかる場合がある 時間に余裕があり、少しでも高く売りたい 買取 売却スピードが速い、確実に売却できる、内覧対応不要 仲介より売却価格が安くなる傾向 早く確実に売却したい、手間をかけたくない 空き家バンク 自治体の支援を受けられる場合がある 売却まで時間がかかる、利用条件がある 地域活性化に貢献したい 仲介での売却 不動産会社に買主を探してもらう方法です。市場価格に近い価格での売却が期待できる反面、築古物件は買い手が見つかりにくく、売却まで数ヶ月から1年以上かかることもあります。 この方法が向いているのは、時間的余裕があり、少しでも高値で売却したい方です。ただし、内覧対応や価格交渉などの手間がかかる点は覚悟が必要です。 買取での売却 不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。最大のメリットは売却までのスピードが速く、確実に売却できる点にあります。内覧対応や買主との交渉も不要なため、精神的な負担も軽減されます。 一般的に仲介価格の70〜80%程度の価格になることが多いですが、早期に現金化できる、近隣に知られずに売却できるといった利点があります。遠方に住んでいて何度も現地に足を運べない方や、相続税の納税期限が迫っている方に適しています。 空き家バンクの活用 自治体が運営する、空き家情報のマッチングサイトです。自治体によってはリフォーム補助金などの支援制度がある場合もあります。 ただし、利用には条件があることが多く、売却まで時間がかかる傾向があるため、補助的な手段として考えるのが現実的です。 ✓ポイント: 空き家を放置することで生じるリスクは時間とともに増大します。資産価値の低下、税負担の増加、近隣トラブル、法的リスクなど多岐にわたるため、早期の売却判断が重要です。売却方法は状況に応じて選択し、複数の不動産会社に相談することで最適な方法が見えてきます。 2. 売却の工夫:少しのアイデアで価値を高める 少しの準備と工夫で、空き家の印象は大きく変わります。特に長年放置された物件では、第一印象を改善することが売却成功の鍵となります。 理由は、買主が物件を見たときの印象が購入意欲に直結するからです。同じ物件でも、整理整頓されているかどうかで受ける印象は大きく異なり、それが価格交渉にも影響します。 2-1. 売却前にできる準備 売却活動を始める前に、以下の準備を行うことで、買主への印象を向上させることができます。 遺品整理と家財処分 残置物を撤去し、売却物件をすっきりと見せることは非常に重要です。家具や家電、衣類などが残っている状態では、買主が室内の広さや状態を正確に把握できません。 遺品整理業者に依頼する場合、数万円から数十万円の費用がかかりますが、この投資は売却価格や売却期間に良い影響を与えることが多く、結果的に費用対効果が高いと言えます。 簡易清掃と換気 窓を開けて換気し、簡単な清掃を行うだけでも印象が大きく向上します。特に玄関、リビング、水回りは重点的に清掃しましょう。 長年締め切られていた空き家は、独特の臭いがこもっています。内覧の数日前から定期的に換気を行い、臭いを外に逃がすことで、買主に与える印象が改善されます。 相続登記の完了 相続した物件は、売却前に必ず相続登記を済ませておく必要があります。登記名義が故人のままでは売却できないため、早めに手続きを進めましょう。 2024年4月からは相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される可能性があります。 【参考出典】 - 相続登記の申請の義務化|法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00435.html 2-2. 買主のターゲットを広げる工夫 売却のアプローチ方法を工夫することで、より多くの買主候補にアピールできます。 DIY可能物件として売り出す 近年、「自分で自由にリフォームしたい」というニーズを持つ層が増えています。特に若い世代や個性的な住まいを求める人にとって、古い家をDIYで再生することは魅力的な選択肢です。 この層に向けて、「リフォーム自由」「DIY歓迎」といった訴求を行うことで、築古物件でも買い手が見つかる可能性が高まります。 リフォームプランの提示 不動産会社と連携し、リフォーム後のイメージを具体的に提示する方法も効果的です。簡単な図面や写真の加工により、「こんな風にリフォームできる」というビジョンを見せることで、買主の購入意欲を高めることができます。 リフォーム費用の概算見積もりも併せて提示すれば、買主は購入後の資金計画を立てやすくなります。 2-3. 不動産会社選びのポイント 売却の成否は、依頼する不動産会社によって大きく左右されます。 空き家の売却実績が豊富な会社を選ぶ 築古物件の扱いに慣れている会社は、適切な価格設定や効果的な販売戦略を持っています。過去の売却事例や実績を確認し、空き家売却のノウハウがあるかをチェックしましょう。 複数の会社に査定を依頼する 査定額だけでなく、担当者の提案力や熱意も比較することが重要です。最低でも3社程度に査定を依頼し、それぞれの販売戦略や担当者の対応を比較検討しましょう。 査定額が極端に高い会社には注意が必要です。契約を取るために高額査定を出し、その後値下げを提案してくるケースもあるためです。 ✓ポイント: 売却前の準備として、遺品整理・清掃・相続登記は必須です。これらを怠ると買主の印象が悪くなり、売却価格や期間に悪影響を及ぼします。また、DIY可能物件としてのアピールやリフォームプランの提示など、買主のニーズに合わせた工夫が効果的です。不動産会社選びでは、空き家売却の実績と担当者の提案力を重視しましょう。 3. リフォームのコツ:費用対効果を最大化する リフォームは必ずしも必要ではありませんが、適切に実施すれば売却価格や売却期間に良い影響を与えます。重要なのは、費用対効果を見極めることです。 リフォームには数十万円から数百万円の費用がかかりますが、その費用が売却価格に反映されるとは限りません。そのため、どこまでリフォームすべきかの判断が、空き家売却の成否を分けるポイントとなります。 3-1. リフォームの必要性と費用対効果を考える リフォームの判断は、物件の状態と市場のニーズを踏まえて行う必要があります。 リフォームのメリット リフォームを行うことで、買主に好印象を与え、高値での売却につながる可能性があります。特に水回りが新しいと、購入後すぐに住めるという安心感を与えられます。 また、リフォーム済み物件は、【フラット35】リノベや安心R住宅など制度・情報提供の枠組みに合致すると、金利引下げ等のメニューや情報の透明性で購入検討がしやすくなるという利点もあります。 リフォームのデメリット 多額の費用がかかる割に、売却価格に反映されないリスクがあります。100万円かけてリフォームしても、売却価格が50万円しか上がらなければ、結果的に損をすることになります。 また、リフォームの好みは人それぞれです。売主が良かれと思って行ったリフォームが、買主の好みに合わないこともあります。 費用対効果を意識する 全面リフォームが必要か、部分リフォームで十分かを慎重に検討しましょう。一般的に、以下の判断基準が目安となります。 建物の状態が良く、部分的な修繕で済む場合 → 部分リフォームを検討 構造部分に問題がある、全体的に劣化が激しい場合 → 現況のまま売却または解体も視野 立地が良く、リフォーム費用を売却価格に反映できる見込みがある場合 → リフォームを積極検討 【参考出典】 - 【フラット35】リノベ|住宅金融支援機構 https://www.flat35.com/loan/lineup/reno/index.html - 安心R住宅|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000038.html 3-2. 効果的なリフォーム箇所 費用対効果の高いリフォーム箇所を優先的に検討しましょう。 外観の改善 外壁塗装や庭の手入れは、物件全体の印象を良くする最も効果的な方法です。買主が最初に目にするのは外観であり、第一印象が悪いと内覧すらしてもらえないこともあります。 外壁塗装の費用は一般的に80〜150万円前後(30〜40坪・塗料次第)ですが、物件の印象を大きく変えられるため、費用対効果は比較的高いと言えます。庭の草刈りや剪定は数万円で済むため、必ず実施すべきです。 水回りの設備交換 浴室、キッチン、トイレなどの水回りは、買主が最も気にする箇所の一つです。これらが古いと、購入後すぐにリフォームが必要になるため、購入を躊躇する要因となります。 ただし、全ての水回りを交換すると数百万円かかるため、状態を見ながら優先順位をつけましょう。例えば、キッチンとトイレだけを交換し、浴室は清掃で済ませるといった選択も有効です。 内装の補修 壁紙の張り替え、床の張り替えなどで見栄えを良くすることも効果的です。 費用は延床・仕様・工法により大きく変動しますが、目安として以下の通りです。 リフォーム箇所 費用相場 備考 壁紙張り替え 800〜1,500円/㎡ 量産クロス中心の相場帯 フローリング張り替え 10,000〜30,000円/㎡ 材質・直貼り/重ね貼りで変動 外壁塗装 80〜150万円前後 30〜40坪・塗料次第 全室を一度にリフォームするのではなく、リビングや玄関など、買主の目に留まりやすい箇所を優先的にリフォームする方法もあります。 【参考出典】 - 壁紙の張り替え費用はいくら?|株式会社ゼンシン https://zen-reform.com/wallpaperreplacement/ - フローリング張替えの費用相場|RenoLIKE https://column.renolike.com/flooring-harikae-hiyo/ - 外壁塗装の費用相場(2025年版)|クラベル職人 https://kuraberu-shokunin.jp/media/gaiketsusou-hiyou-souba/ 3-3. リフォーム費用を抑えるポイント 限られた予算で最大限の効果を得るための工夫を紹介します。 部分的なリフォームに限定する 傷みの激しい箇所のみを重点的に直すことで、コストを抑えられます。例えば、雨漏りしている部分の屋根修理や、腐食が進んでいる床の張り替えなど、最低限の修繕に留める方法です。 見た目を良くすることも重要ですが、構造的な問題を優先的に解決することで、買主に安心感を与えられます。 補助金制度の活用 自治体によっては、空き家リフォームに関する補助金制度がある場合があります。 市川市では「空家除却・活用事業補助金」のほか、「空家活用マッチングサービス」を運用しています。対象や上限額は年度により変動するため、最新の要綱を必ず確認しましょう。 補助金の額や条件は自治体によって異なりますが、リフォーム費用の一部を補助してもらえることで、負担を軽減できます。 複数のリフォーム業者から相見積もりを取る 価格や内容を比較検討することで、適正価格でリフォームできます。最低でも3社から見積もりを取り、金額だけでなく、工事内容や保証内容も確認しましょう。 不動産会社が提携しているリフォーム業者を紹介してもらうことで、空き家売却に適したリフォーム内容を提案してもらえる場合もあります。 【参考出典】 - 市川市空家除却・活用事業補助金について|市川市 https://www.city.ichikawa.lg.jp/cit06/1111000086.html - 市川市空家活用マッチングサービス|市川市 https://www.city.ichikawa.lg.jp/cit10/0000449407.html ✓ポイント: リフォームは費用対効果を最優先に考えましょう。全面リフォームが必ずしも正解ではなく、物件の状態や立地、市場のニーズに応じて判断することが重要です。外観、水回り、内装の順で優先順位をつけ、部分的なリフォームに留めることで費用を抑えられます。補助金制度の活用や相見積もりの取得も忘れずに行いましょう。 4. まとめ:空き家売却は早期の行動がカギ 長年放置された空き家でも、適切な準備と工夫次第で売却は十分に可能です。重要なのは、放置し続けることのリスクを理解し、早めに行動を起こすことです。 空き家を放置するほど、資産価値は下落し、税負担は増加し、近隣とのトラブルや法的リスクも高まります。今日始めることが、明日の負担を減らすことにつながります。 売却方法は仲介、買取、空き家バンクの3つが主な選択肢ですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分の状況に合った方法を選び、複数の不動産会社に相談することで、最適な売却プランが見えてきます。 また、遺品整理や清掃、相続登記といった基本的な準備を怠らず、DIY可能物件としてのアピールやリフォームプランの提示など、買主のニーズに応じた工夫を取り入れることで、売却成功の確率は高まります。 リフォームについては、費用対効果を冷静に判断し、必要最小限に留めることが賢明です。外観、水回り、内装の順で優先順位をつけ、補助金制度も活用しながら進めていきましょう。 市川市で空き家の売却をお考えの方は、ぜひ株式会社NR企画にご相談ください。地域に根ざした豊富な経験と実績を活かし、お客様の空き家売却を全力でサポートいたします。物件の状態や立地に応じた最適な売却方法をご提案し、遺品整理からリフォーム、売却後のサポートまで、ワンストップでお手伝いします。 空き家売却は早期の行動がカギです。専門家である不動産会社に相談し、具体的な行動を起こすことで、空き家問題は必ず解決できます。一人で悩まず、まずは相談から始めてみませんか。
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新着情報・ブログ
2025/10/01
持ち回りでの売買契約

こんにちは!! 先日、仲介した土地の売買契約ですが 買主様が大手不動産業者の為 持ち回りでの契約となりました。 時間的には大変ありがたいですが 何か物足りなさを感じるのは私だけでしょうか? ただ、これで一区切りつきました。 あとはスムーズに決済日を迎える為に ひとつひとつ丁寧に事を進めてまいります。 「不動産売却でお困りのことがあればNR企画へ~」
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不動産コラム
2025/09/20
空き家があると相続トラブルになる?
早めに売却すべき理由
日本の空き家問題は年々深刻化し、2023年時点で全国の空き家数は約849万戸に達しています。特に市川市のような首都圏でも空き家の増加は顕著で、多くの所有者が「いずれ使うかもしれない」「売るタイミングがわからない」という理由で放置してしまっているのが現状です。 しかし、空き家を放置することは想像以上のリスクを伴います。株式会社NR企画では市川市の多くのお客様から空き家に関するご相談を承る中で、放置による深刻な問題に直面されたケースを数多く目の当たりにしてきました。本記事では、空き家が相続トラブルを招く理由と、早期売却が最適な解決策である理由について詳しく解説します。 目次 空き家を放置する4つの深刻なリスク 空き家が相続トラブルを招く理由 早めに売却すべき理由とメリット 空き家売却の具体的なステップ 売却時の注意点と専門家の活用法 まとめ 空き家を放置する4つの深刻なリスク 継続的な経済的負担 空き家を所有し続ける限り、固定資産税や都市計画税が毎年課税されます。市川市のような首都圏では、年間10万円から15万円程度の税負担が一般的で、これを何十年も支払い続けると数百万円もの出費となります。 さらに、建物の劣化を防ぐための修繕費、庭木の剪定、害虫駆除、火災保険料などの維持費も継続的に発生します。特に遠方に住んでいる場合は、管理会社への委託費用として月額5,000円から1万円程度が必要になることも珍しくありません。 利用しないのにお金だけが出ていく、いわゆる「負動産」状態に陥ってしまうのです。 建物の急速な劣化と資産価値の低下 空き家は人が住まなくなると、通常の住宅の2倍から3倍のスピードで劣化が進むといわれています。日本の高温多湿な気候では、通気や清掃がされない住宅は短期間でカビやシロアリの被害に遭うリスクが高まります。 具体的には以下のような劣化が連鎖的に発生します: 通風不足による湿気の増加とカビの異常繁殖 シロアリの発生と木材の損傷 水回りの劣化(排水口の封水蒸発による悪臭など) 外壁や窓周りのコーキング劣化による雨水侵入 屋根材や外壁材の劣化 特に木造住宅は築20年を超えると建物の評価がほぼゼロとされるため、「将来のために保有する」という考え方は、むしろ資産価値を減少させることにつながります。 防犯・防災上のリスクと法的責任 人の出入りがない空き家は、不法侵入や放火などの犯罪の標的となりやすく、近隣住民への迷惑や安全上の問題を引き起こす可能性があります。 特に深刻なのは自然災害時のリスクです。台風や地震により空き家の屋根材や外壁材が飛散したり、建物の一部が倒壊したりした場合、民法第717条の工作物責任により、所有者が損害賠償責任を負うことになります。実際に数千万円の賠償金が発生したケースもあり、所有者には大きな法的リスクが伴います。 「特定空き家」指定による重いペナルティ 2015年に施行され、2023年に改正された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、周辺に悪影響を及ぼす危険な空き家は「特定空き家」に指定されます。 特定空き家に指定されると: 固定資産税の住宅用地特例が解除され、税額が最大6倍に増加 改善命令に従わない場合は50万円以下の罰金 最終的には行政代執行による強制解体(費用は所有者負担) このようなペナルティは、単なる不動産管理の問題ではなく、法的リスクを伴う深刻な問題です。 ✓ポイント:空き家の放置は経済的負担だけでなく、法的責任も伴う重大なリスクとなります。早期の対策が被害を最小限に抑える鍵となります。 空き家が相続トラブルを招く理由 相続人同士の意見対立 複数の相続人で空き家を共有している場合、その維持管理の方法や費用負担、売却や活用方針を巡って相続人同士の意見が対立することが頻繁に発生します。 典型的な対立パターンとしては: 「売却派」と「保有派」の意見の相違 維持費用の負担割合に関する不満 管理責任の押し付け合い 利用方法についての意見の不一致 数次相続による権利関係の複雑化 時間が経過すると、相続人の高齢化や死亡により新たな相続(数次相続)が発生し、権利関係が複雑になります。最初は2〜3人の相続人だったものが、次の相続により10人以上の共有者が生まれることも珍しくありません。 このような状況になると、全員の同意を得ることが極めて困難になり、空き家の処分がさらに難しくなってしまいます。 心理的・精神的負担の増大 空き家を抱え続けることで生じる心理的負担も見過ごせません: 「いつか何か問題が起きるのではないか」という不安 遠方の空き家の状態確認に伴うストレス 近隣住民からの苦情への対応 相続人としての責任の重さ これらの負担は、家族間の人間関係にも悪影響を及ぼし、相続トラブルをさらに深刻化させる要因となります。 ✓ポイント:空き家の共有は相続人同士の関係悪化の原因となりやすく、時間の経過とともに解決がより困難になります。 出典 空家等対策の推進に関する特別措置法|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html 早めに売却すべき理由とメリット 税制優遇の活用チャンス 相続した空き家を売却する場合、「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」(通称:空き家の3,000万円控除)という税制優遇を受けられる可能性があります。 この制度の主な条件は以下の通りです: 条件項目 詳細内容 売却期限 相続開始日から3年後の12月31日まで 建物要件 被相続人が一人で住んでいた家屋 使用状況 相続開始時から売却時まで事業・貸付・居住に供されていない 建物基準 耐震基準を満たす、または解体して売却 この特例を利用すると、売却による譲渡所得から最大3,000万円を控除でき、大幅な節税効果を期待できます。 経済的・精神的負担からの完全な解放 空き家を売却することで得られる解放感は計り知れません: 経済的メリット: 年間数十万円の固定資産税・維持管理費の負担がなくなる 売却代金を相続税の支払いや将来への投資に活用できる 災害時の損害賠償リスクから解放される 精神的メリット: 空き家に関する不安やストレスがなくなる 遠方への確認や管理の手間が不要になる 相続人としての重い責任から解放される 資産価値の維持と売却機会の確保 空き家は時間の経過とともに売却が困難になるケースが多々あります。その主な理由として: 建物の老朽化による資産価値の下落 周辺環境の変化(人口減少など)による市場価値の低下 購入希望者のニーズ変化への対応の遅れ 建物が急速に劣化する前に売却することで、より有利な条件での売却が可能になります。少子高齢化により不動産需要は減少傾向にあるため、市場環境が悪化する前の早期売却が賢明です。 相続人間トラブルの完全回避 空き家を売却し現金化することで: 相続人同士の意見対立がなくなる 公平な遺産分割が可能になる 将来の数次相続に伴う複雑化を防げる 家族間の人間関係を良好に保てる 現金であれば分割も容易で、各相続人が自分の判断で自由に活用できるというメリットもあります。 ✓ポイント:早期売却は税制優遇の活用、負担の解放、資産価値の維持、そして家族関係の円満な維持を同時に実現する最適な選択肢です。 出典 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm 空き家売却の具体的なステップ 相続登記の実施 2024年4月1日から相続登記が義務化されており、相続開始を知った日から3年以内に手続きを行わないと10万円以下の過料の対象となります。空き家売却の第一歩として、必ず相続登記を完了させる必要があります。 必要書類の例: 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 相続人全員の戸籍謄本 相続人全員の印鑑証明書 固定資産税評価証明書 空き家の現況調査と方針決定 空き家の売却を成功させるためには、正確な現況把握が欠かせません: 調査項目: 建物の劣化状況と構造の確認 築年数と耐震基準への適合状況 前面道路との接道状況 境界の明確化 用途地域や建築制限の確認 処分方針の選択: 建物付きでの売却 解体後の更地での売却 リフォーム後の売却 地域の特性や建物の状況に応じて、最も有利な売却方法を専門家と相談しながら決定します。 複数業者への査定依頼 必ず3社以上の不動産会社に査定を依頼することをお勧めします。不動産会社によって得意分野や査定方法が異なり、査定額に大きな差が出ることがあるためです。 査定時の比較ポイント: 査定額の妥当性 売却戦略の提案内容 担当者の対応や専門知識 空き家取引の実績 アフターフォローの充実度 売却方法の選択 空き家の売却方法には主に2つの選択肢があります: 売却方法 メリット デメリット 適用ケース 仲介 市場価格での売却が期待できる 売却まで時間がかかる可能性 需要のある地域の比較的新しい物件 買取 迅速な売却が可能、確実性が高い 市場価格より低くなる場合がある 古い物件、需要の少ない地域、早急な売却希望 物件の状況や売主の希望に応じて最適な方法を選択します。 ✓ポイント:空き家売却の成功は正確な現況把握と適切な業者選択にかかっています。複数の専門家の意見を聞き、比較検討することが重要です。 出典 相続登記の申請義務化について|法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00435.html 売却時の注意点と専門家の活用法 空き家専門業者の活用 空き家の取引に特化した不動産会社への相談が解決への近道です。これらの業者の特徴として: 家財道具が残っていても現状のまま買取可能 再建築不可物件や遠隔地の物件にも対応 空き家特有の問題に精通した専門知識 迅速な対応と確実な取引実行 一般的な不動産会社では敬遠されがちな条件の悪い空き家でも、専門業者であれば適切な価格で買い取ってくれるケースが多くあります。 各種制度の活用検討 自治体の空き家バンク: 地域によっては自治体が運営する空き家バンクも選択肢の一つです。ただし、需要の少ない地域では長期間売れない可能性があるため、早期売却を優先するなら通常の不動産取引と並行して検討することが重要です。 解体費用補助: 多くの自治体で空き家の解体費用に対する補助制度が設けられています。更地での売却を検討している場合は、事前に確認しておくとコスト削減につながります。 専門家チームとの連携 空き家売却を成功させるためには、複数の専門家との連携が効果的です: 司法書士: 相続登記の手続き代行、売買契約時の所有権移転登記 税理士: 譲渡所得税の計算、空き家特例の適用可否判断、確定申告のサポート 土地家屋調査士: 境界確定測量、建物滅失登記(解体時) 不動産鑑定士: 正確な不動産価格の算定、相続税評価額の確認 契約時の重要な確認事項 売却契約を締結する際は、以下の点を必ず確認します: 瑕疵担保責任の範囲と期間 引渡し条件(現状渡しの可否) 手付金と残代金の支払い時期 契約解除条項 諸費用の負担区分 特に古い空き家の場合、予期せぬ瑕疵が発見される可能性があるため、売主の責任範囲を明確に定めておくことが重要です。 ✓ポイント:空き家売却は専門的な知識を要する複雑な取引です。信頼できる専門家チームとの連携により、安心して取引を進めることができます。 まとめ 空き家を放置することは、経済的負担の継続、建物の急速な劣化、法的責任の発生、そして相続人同士のトラブルなど、計り知れないデメリットを伴います。市川市のような首都圏でも、空き家問題は深刻化しており、「とりあえず様子を見る」という選択が結果的に最も高くつくケースが多いのが現実です。 一方で、空き家を早めに売却することには多くのメリットがあります。税制優遇の活用、経済的・精神的負担からの解放、資産価値の維持、そして何より相続人同士のトラブル回避という効果は非常に大きなものです。 株式会社NR企画では、市川市の皆様の空き家問題解決に向けて、信頼できる専門業者のご紹介から売却戦略のアドバイスまで、包括的なサポートを提供しています。今日から一歩を踏み出し、複数の専門家に相談することで、将来の負担を大幅に軽減できる可能性があります。 空き家問題でお悩みの方は、一人で抱え込まずに、まずは現状の正確な把握から始めてみてください。適切な専門家のサポートを受けることで、最適な解決策が必ず見つかります。
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不動産コラム
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相続登記が義務化へ
期限や罰則をわかりやすく解説
2024年4月から相続登記が義務化され、市川市をはじめ全国の不動産所有者に大きな変化がもたらされました。この法改正により、これまで任意だった相続登記の手続きが法的な義務となり、期限を守らない場合は罰則が科される可能性があります。 株式会社NR企画では、市川市の多くのお客様から相続に関する不動産のご相談を承る中で、相続登記義務化への対応についてのお問い合わせが急増しています。本記事では、相続登記義務化の具体的な内容から期限、罰則、対処法まで、わかりやすく詳細に解説していきます。 目次 相続登記義務化の背景と重要性 相続登記とは?基本的な理解 義務化の主要ポイントと期限 罰則とリスクの詳細 すぐに登記できない場合の対処法 手続きの流れと必要書類 費用について 専門家への相談のメリット まとめ 相続登記義務化の背景と重要性 日本全国で所有者不明土地が約410万ヘクタール(九州の面積に相当)にも及ぶ深刻な社会問題を背景に、相続登記の義務化が実現されました。 これまで相続登記は任意の手続きでしたが、手続きを行わないことで不動産の権利関係が曖昧になり、土地の有効活用や公共事業の推進に大きな支障をきたしていました。特に市川市のような都市部においても、相続登記未了の不動産が点在し、地域の発展を妨げる要因となっていたのです。 2024年4月1日より施行された相続登記の義務化は、このような問題を解決し、不動産の権利関係を明確にすることで、より健全な不動産市場の形成を目的としています。 ✓ポイント:相続登記義務化は個人の権利保護だけでなく、社会全体の不動産流通の円滑化を図る重要な制度改正です。 相続登記とは?基本的な理解 相続登記とは、被相続人(亡くなった方)が所有していた不動産の名義を、その不動産を相続した人の名義に変更する手続きのことです。 不動産の所有権は登記簿に記録されており、この登記簿上の名義を変更することで、法的に不動産の所有者が誰であるかを明確にします。登記を行うことで、第三者に対しても正当な所有者であることを主張でき、不動産の売却や担保設定などの各種手続きが可能になります。 従来は相続が発生しても登記を変更する義務はありませんでしたが、法改正により、相続により不動産を取得した相続人には登記申請の義務が課せられることになりました。 ✓ポイント:相続登記は不動産の真の所有者を公的に証明する重要な手続きであり、放置すると様々な不利益が生じる可能性があります。 義務化の主要ポイントと期限 申請期限について 相続登記の申請期限は、「不動産を相続したことを知った日から3年以内」です。ここでいう「知った日」とは、以下の両方の条件を満たした日を指します: 相続の開始があったこと(被相続人が亡くなったこと) その不動産の所有権を取得したこと つまり、自分が相続人であることを知っていても、被相続人が不動産を所有していることを知らなかった場合は、登記義務は発生しません。 ケース別の期限 状況 期限の起算点 遺言により相続 遺言によって不動産を取得したことを知った日から3年以内 遺産分割協議成立 相続開始を知った日から3年以内(不動産の存在を知らなかった場合を除く) 遺産分割協議未成立 3年以内に「相続人申告登記」または「法定相続分での登記」が必要 過去の相続への適用 2024年4月1日よりも前に発生した相続についても遡って義務化の対象となります。過去の相続に関しては、以下のいずれか遅い日から3年以内に申請が必要です: 施行日(2024年4月1日) 自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、該当する不動産の所有権を取得したことを知った日 具体的には、2027年3月31日までに相続登記を行えば、過去の相続についても義務を履行したことになります。 ✓ポイント:過去の相続であっても義務化の対象となるため、放置していた相続登記がある場合は早急な対応が必要です。 罰則とリスクの詳細 過料による罰則 正当な理由なく期限内に相続登記または相続人申告登記の申請を行わなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。 過料が科されるまでの流れ: 登記官が相続登記の申請義務違反を把握 法務局が相続人に相続登記をするよう「催告」を実施 催告に応じず相続登記をしなかった場合、法務局が裁判所に過料事件として通知 裁判所が審議し、正当な理由がないと判断した場合に過料が決定 正当な理由とは 以下のようなケースでは「正当な理由」として認められる可能性があります: 相続人が極めて多数で書類収集に時間がかかる場合 遺言の有効性や遺産の範囲に争いがある場合 申請義務を負う相続人が重病である場合 経済的に困窮している場合 ただし、単に「忘れていた」という理由は認められません。 過料以外のリスク 過料を支払っても相続登記の義務がなくなるわけではありません。 さらに、以下のような深刻なリスクが伴います: 不動産の活用制限 登記簿上の所有者が亡くなった人のままでは、売却や担保設定、賃貸などの手続きができません。 権利関係の複雑化 長期間放置すると数次相続が発生し、相続人の数が膨大になることがあります。これにより遺産分割協議で全員の同意を得ることが極めて困難になります。 第三者による権利侵害 遺産分割協議が完了していない場合でも、他の相続人が法定相続分による相続登記を行い、自身の持分を第三者に売却する可能性があります。また、相続人の債権者が持分を差し押さえるリスクもあります。 ✓ポイント:過料による罰則よりも、不動産の権利関係が複雑化し、将来の活用や処分が困難になるリスクの方が深刻な問題となります。 すぐに登記できない場合の対処法 相続人申告登記制度の活用 2024年4月1日から導入された新制度で、正式な相続登記が困難な場合に一時的に義務を履行できる方法です。 制度の概要: 「その不動産の相続が開始したこと」 「自身がその不動産の相続人であること」 この2点を法務局に申告することで、簡易的に登記義務を履行できます。 メリット: 相続人のうち一人から単独で申請可能 過料のリスクを回避できる 登録免許税が不要 注意点: あくまで「相続人の一人であること」を名乗り出ただけで、不動産の所有権の具体的な取得割合や帰属が確定したわけではありません。遺産分割協議が成立した場合は、その日から3年以内に正式な相続登記を申請する必要があります。 法定相続分での暫定登記 遺産分割協議がまとまらない場合、相続人全員の共有名義で法定相続分に従って登記する方法もありますが、以下の理由から実務上はあまり選択されません: 不動産が共有状態となり、売却や活用に共有者全員の同意が必要 遺産分割協議成立後に再度登記をし直す必要がある 追加の登録免許税などの費用が発生 ✓ポイント:複雑な相続案件では相続人申告登記制度を活用し、時間的余裕を確保してから正式な相続登記を進める方法が効果的です。 手続きの流れと必要書類 基本的な手続きの流れ 遺言書の確認 遺言書の有無を確認し、存在する場合は内容を精査します。 被相続人所有不動産の調査 名寄帳(固定資産税課税台帳)などを確認し、被相続人が所有していた不動産をすべて特定します。 相続人の確定 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等を取得し、法定相続人を確定します。 遺産分割協議(必要な場合) 法定相続分と異なる割合で遺産を分割する場合、相続人全員で協議し、遺産分割協議書を作成します。 必要書類の収集 各種証明書類を取得します。 登記申請書の作成 法務局のウェブサイトから様式を入手し、正確に記入します。 登録免許税の納付 収入印紙を購入し、申請書に貼付などして納めます。 法務局への申請 不動産の所在地を管轄する法務局へ申請書と添付書類を提出します。 主な必要書類 書類名 取得場所 費用目安 戸籍謄本 市区町村役場 450円~750円/通 住民票 市区町村役場 200円~400円/通 固定資産評価証明書 市区町村役場 200円~400円/通 印鑑証明書 市区町村役場 200円~400円/通 不動産の所在が不明な場合の調査方法 既知の不動産の登記状況確認: 法務局で登記事項証明書を取得 インターネットサービス「登記情報提供サービス」を利用 所有不動産の全体把握: 自治体の役場で名寄帳(固定資産税課税台帳)を取得 2026年2月2日施行予定の「所有不動産記録証明制度」の活用も今後検討可能 ✓ポイント:必要書類の収集は時間がかかることが多いため、期限に余裕を持って早めに着手することが重要です。 出典: 所有不動産記録証明制度(令和8年2月2日施行)|法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html#mokuji10 費用について 登録免許税 不動産の固定資産税評価額 × 0.4%で算出されます。 例:固定資産税評価額が2,000万円の不動産の場合 → 2,000万円 × 0.4% = 8万円 その他の費用 必要書類取得費用: 一般的に数千円から1万円程度 司法書士報酬(専門家に依頼する場合): 事案の難易度や地域によって異なりますが、5万円~15万円程度が目安 費用を抑えるポイント 必要書類は自身で取得する 複数の司法書士事務所で見積もりを比較する 無料相談を活用して事前に費用を把握する ✓ポイント:相続登記を放置することで発生する将来のリスクやコストを考慮すると、適正な費用での早期手続きが結果的に経済的です。 専門家への相談のメリット 司法書士の役割 相続登記の専門家である司法書士は、以下の業務を代行できます: 必要書類の収集 申請書の作成 法務局とのやり取り 法的観点からの適切なアドバイス 特に相続人が多数いる場合や、過去の相続が複雑になっている場合は、専門的な知識と経験が不可欠です。 弁護士への相談が必要なケース 以下の場合は弁護士への相談も検討が必要です: 相続人間で既に紛争が生じている場合 手続きに協力してくれない相続人がいる場合 遺言の有効性に争いがある場合 無料相談の活用 多くの司法書士事務所では初回の相談を無料で行っています。複雑な相続案件ほど、専門家の助言を早期に得ることが重要です。 専門家選択のポイント: 相続登記の実績が豊富 説明が分かりやすく、信頼できる 費用体系が明確 アフターフォローが充実している ✓ポイント:相続登記は複雑な法的手続きであり、専門家のサポートを受けることで、確実かつ効率的に義務を履行できます。 まとめ 相続登記の義務化は、個人の権利を守るだけでなく、市川市をはじめとする全国の健全な不動産市場の形成に寄与する重要な制度改正です。3年という期限は意外と短く、特に複雑な相続では相当な時間を要するため、早めの対応が不可欠です。 株式会社NR企画では、市川市の皆様の不動産に関する様々なお悩みにお応えしており、相続登記についても適切な専門家をご紹介することが可能です。相続登記を放置することで生じる将来のリスクを避けるためにも、疑問や不安がある場合は、専門家である司法書士への早期相談を強くお勧めします。 期限が近づいてから慌てることのないよう、今こそ適切な行動を起こし、大切な不動産の権利関係を明確にしていきましょう。 参考リンク 法務省「相続登記の申請義務化について」:制度全体・期限・過料・申告登記の適用範囲 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00435.html 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」:読者の細かな疑問への回答 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html 法務省「相続人申告登記について」:制度の概要 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00602.html
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2025/09/08
買取査定の依頼

こんにちは!! 昨日、市川市新田で買取の査定依頼を頂きました。 1件1件、丁寧な対応をこころがけております。 今後ともよろしくお願いいたします。 「不動産売却でお困りのことがあればNR企画へ~」
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2025/09/04
相続登記をすると・・・。

こんにちは!! 先日、売却のご依頼者様から質問がありました。 相続登記後、1ヶ月を過ぎた頃から相続した不動産に対してのDMがすごく届くようになりました。何故ですか?と 回答として「行政文書開示請求書」というものを申請すると誰でも「相続」や「売買」等の登記受付の情報を取得できます。 そこから物件を絞って、所有者の情報を取得して「DM]を郵送する流れになります。 ちなみに今回のご依頼者様には、1年間で「19社」から「47通」のDMが送られておりました。 大手企業から当社のような小さい会社まで様々ですが、物件の所在地にある会社は3社しかありませんでした。 やはり大手企業から郵送されてくるカタログやパンフレットは有名人等が前面に出ており、ファンからすれば「お宝」です。 ただ「お客様が後悔しない選択」をすることを切に願う今日この頃です。 「不動産売却でお困りのことがあればNR企画へ~」
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新着情報・ブログ
2025/09/01
9月度もよろしくお願いいたします。

こんにちは!! 8月度はありがとうございました。 9月度もよろしくお願いいたします。 1件1件丁寧な対応を致します。 市川市での「売却相談」「無料査定」「買取相談」等 ご連絡、ご用命、お待ちしております。 「不動産売却でお困りのことがあればNR企画へ~」
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2025/08/23
売却と違い賃貸は・・・。

こんにちは!! 昨日、賃貸借の更新契約を行いました。 売買は契約・決済(引渡し)で終了ですが 賃貸借は契約がスタートとなります。 貸主・借主お互いがウィンウィンの関係が続けるように 定期巡回を含めた日々の業務に邁進してまいります。 「不動産売却・賃貸でお困りのことがあればNR企画へ~」
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不動産コラム
2025/08/20
不動産相続の税金と控除制度
損をしないための知識とは
不動産の相続は多くの人にとって一生のうちに何度もあることではないため、その複雑さに不安を感じる方も少なくありません。特に、税金や法的な手続きに関する正しい知識がなければ、予期せぬトラブルや損失が生じる可能性もあります。 市川市で長年不動産相続のサポートを行ってきた株式会社 NR企画の経験から、不動産相続において最も重要なのは事前の知識習得と適切な専門家との連携です。この記事では、不動産相続に関わる税金の基本、節税に役立つ控除・特例制度、そして円満な相続を実現するための手続きについて、実務経験を基に解説します。 目次 不動産相続で発生する税金の基礎知識 不動産の評価方法 相続税を賢く節税するための控除・特例制度 不動産相続の基本的な手続きの流れ 不動産相続でトラブルを防ぐために まとめ 不動産相続で発生する税金の基礎知識 不動産を相続する際には、主に「相続税」と「登録免許税」の2種類の税金が関係します。 相続税の仕組みと計算方法 相続税は、被相続人(亡くなった方)の財産を相続した際に課される税金です。不動産だけでなく、預貯金、有価証券などのプラスの財産、さらには借金などのマイナスの財産も対象となります。 課税対象と基礎控除額 すべての相続財産に課税されるわけではなく、遺産総額から「基礎控除額」を差し引いた金額が課税対象となります。基礎控除額は「3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)」という計算式で算出されます。 法定相続人の数 基礎控除額 1人 3,600万円 2人 4,200万円 3人 4,800万円 相続財産の合計額がこの基礎控除額以下であれば、相続税はかかりません。 登録免許税とは 登録免許税は、不動産の名義を被相続人から相続人へ変更する「相続登記」の際に法務局へ納める税金です。税額は不動産の固定資産税評価額に0.4%の税率を掛けて算出されます。 相続登記は2024年4月1日から義務化されており、正当な理由なく3年以内に相続登記を行わない場合、10万円以下の過料が課せられる可能性があります。 出典:法務省 相続登記の申請義務化に関するQ&A 千葉県の相続税課税状況 千葉県は全国的に見て相続税の課税割合が比較的高い地域に位置しています。2022年の全国平均の相続税課税割合が9.6%であるのに対し、千葉県を含む首都圏では平均を上回る傾向にあります。 出典:相続税理士相談Cafe、辻・本郷 税理士法人 特に市川市のような都心アクセスが良好で地価が高い地域では、基礎控除額を超える相続財産を持つ世帯の割合が高くなる傾向があります。これは主に不動産価値の上昇が要因となっており、従来は相続税の対象外だった世帯も課税対象となるケースが増加しています。 不動産取得税は原則かからない 相続によって不動産を取得した場合には原則として不動産取得税は課税されません。ただし、遺言によって相続人以外が不動産を受け取る「遺贈」の場合には、課税対象となることがあります。 ✓ポイント:相続では不動産取得税はかからないため、売買での取得と比較して税負担が軽減されます。ただし、相続登記の義務化により、手続きを怠ると過料が発生するリスクがあるため、早めの対応が重要です。千葉県のような地価上昇地域では、相続税の課税対象となる可能性が高いため、事前の対策検討が特に重要となります。 不動産の評価方法 相続税を計算する上で、不動産の評価額を正確に算出することは非常に重要です。不動産の評価は、土地と建物で異なる方法が用いられます。 土地の評価方法 路線価方式 路線価(道路に面する土地の1平方メートルあたりの評価額)が定められている地域で適用される方法です。評価額は路線価に土地の面積と補正率を掛けて計算します。 倍率方式 路線価が定められていない地域で適用される方法です。評価額は固定資産税評価額に国税庁が定める一定の倍率を掛けて計算します。 建物の評価方法 建物の評価額は、原則として固定資産税評価額が用いられます。一般的に、建物の固定資産税評価額は建築費用の50%から60%程度になることが多いとされています。 市川市の地価動向と相続への影響 市川市は千葉県内でも地価上昇が続いている地域で、2024年の基準地価は住宅地で平均29万6,711円/㎡(前年比+9.24%上昇)、商業地で平均148万8,000円/㎡(前年比+13.22%上昇)となっています。特に総武線の市川駅、本八幡駅、東京メトロ東西線の行徳駅などの駅周辺エリアで上昇率が高く、都心アクセスの良さから継続的な需要があります。 出典:土地代データ この地価上昇は相続税計算に直接影響します。路線価は公示地価の約80%で設定されるため、地価上昇に伴い相続税評価額も上昇し、結果として相続税額が増加する傾向にあります。市川市の不動産を相続される方は、この地価動向を踏まえた事前の対策が重要です。 ✓ポイント:不動産の評価額によって相続税額が大きく変わるため、正確な評価が重要です。特に市川市のように地価上昇が続く地域では、評価時期によって税額が大きく変動する可能性があります。土地については、形状や立地条件によって補正率が適用され、評価額が減額される場合があるため、専門家による適切な評価を受けることで、過大な相続税の支払いを避けることができます。 相続税を賢く節税するための控除・特例制度 高額になりがちな相続税の負担を軽減するためには、様々な控除や特例制度を理解し、適切に活用することが重要です。 小規模宅地等の特例 この特例は、亡くなった方が住んでいた土地や事業で使っていた土地などを相続した場合に利用できる制度で、土地の評価額を最大で80%減額できます。 宅地の種類 限度面積 減額割合 特定居住用宅地等 330㎡ 80% 特定事業用宅地等 400㎡ 80% 貸付事業用宅地等 200㎡ 50% 配偶者の税額軽減 配偶者が相続した財産の合計が、「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い金額までは相続税がかかりません。ただし、次の配偶者の相続(二次相続)まで見据えた計画が重要です。 生前贈与を活用した節税対策 暦年贈与 贈与税の基礎控除である年間110万円までの非課税枠を利用する方法です。受贈者一人あたり年間110万円までであれば、贈与税を支払うことなく財産を移転させることが可能です。 相続時精算課税制度 原則として60歳以上の親や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与で利用できる制度です。累計2,500万円までの贈与であれば贈与税はかかりません。将来値上がりが予想される不動産を、価値が低いうちに贈与しておく場合に有効です。 贈与税の配偶者控除 婚姻期間が20年以上の夫婦間での居住用不動産の贈与に適用される特例で、暦年贈与の基礎控除110万円とは別に、最大2,000万円までが非課税となります。 ✓ポイント:各種控除制度には適用要件や期限があるため、事前の計画が重要です。特に小規模宅地等の特例は節税効果が大きい反面、適用要件が複雑なため、専門家による詳細な検討が必要です。 不動産相続の基本的な手続きの流れ 不動産相続をスムーズに進めるためには、手順を理解し、計画的に進めることが不可欠です。 最初に確認すべき3つのポイント 遺言書の確認 遺言書の有無によって、相続手続きは大きく変わります。自筆証書遺言の場合は家庭裁判所での検認手続きが、公正証書遺言の場合は公証人役場での確認が必要です。 相続人の確定 相続人になれる人は民法で定められた範囲(法定相続人)に限られており、被相続人の配偶者は常に相続人となりますが、子、直系尊属、兄弟姉妹の有無によって相続の割合が変わります。 相続財産の把握 不動産だけでなく、預貯金、有価証券などのプラスの財産、さらには借金などのマイナスの財産も漏れなく把握することが必要です。 不動産の4つの分割方法 現物分割 不動産をそのままの形で相続する最もシンプルな方法です。 代償分割 相続人のうちの一人が不動産を相続し、その代わりに他の相続人に代償金を支払う方法です。 換価分割 不動産を売却し、その売却代金を相続人で分割する方法です。 共有分割 複数の相続人で不動産を共有名義にする方法ですが、将来的に売却や改築を行う際に共有者全員の同意が必要となり、トラブルの原因となる可能性があります。 相続手続の具体的なステップ 遺産分割協議 相続人全員の合意が必要な話し合いで、合意内容を「遺産分割協議書」にまとめることが重要です。 相続登記(名義変更) 法務局で不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続きです。 相続税の申告・納付 相続税は相続開始から10ヶ月以内に税務署に申告し、納税する必要があります。 出典:国税庁 No.4205 相続税の申告と納税 ✓ポイント:不動産相続の手続きは多岐にわたり、それぞれに期限があります。共有分割は一見公平に見えますが、将来的なトラブルの原因となりやすいため、慎重な検討が求められます。 不動産相続でトラブルを防ぐために 不動産が関わる遺産相続は、特にトラブルになるケースが非常に多いという実情があります。 トラブルになりやすいケース 市川市での不動産相続の実務経験から、以下のようなケースでトラブルが発生しやすいことが分かっています。 不動産の分割方法について相続人間で意見が分かれる 借地権や地上権などの権利関係が複雑で不明確 前の世代の相続で相続登記がされておらず、権利関係が複雑化している 不動産の評価額について相続人間で認識が異なる 専門家への相談の重要性 不動産の相続は手続きが複雑で専門的な知識が必要なため、弁護士、司法書士、税理士などの専門家に相談するのがおすすめです。 弁護士は遺産分割協議がまとまらない場合や相続人間でトラブルが発生している場合に、司法書士は相続登記に関する複雑な手続きを、税理士は相続税の計算や申告書の作成をそれぞれ専門的にサポートしてくれます。 ✓ポイント:不動産相続のトラブルは事前の準備と適切な専門家への相談で多くが回避可能です。費用を惜しんで自己判断で進めた結果、より大きな損失を被るケースも少なくありません。 まとめ 不動産の相続は、相続税や登録免許税といった税金が関係し、その評価方法や計算、各種控除制度の活用が複雑です。小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減、生前贈与の非課税制度などを正しく理解し計画的に活用することで、税金の負担を大きく軽減することが可能です。 しかし、不動産の評価や特例の適用要件は複雑であり、一人で判断するのは困難な場合が少なくありません。市川市で数多くの不動産相続をサポートしてきた株式会社 NR企画では、相続に精通した税理士や司法書士などの専門家と連携し、お客様一人ひとりの状況に応じた最適な相続プランをご提案しています。 相続争いを避けて円満な資産承継を実現し、損をしないためにも、少しでも不安や不明な点があれば、弁護士、司法書士、税理士といった専門家へ早めに相談することが最も有効な選択肢です。適切な知識と専門家のサポートがあれば、不動産相続は決して恐れるものではありません。
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新着情報・ブログ
2025/08/19
共有物分割訴訟→競売

こんにちは!! 先日、珍しい登記を見ました。 「競売開始決定」の登記ですが、債権者が裁判所に申し立てたのではなく 3名の共有物件で、そのうちの1名が競売の申し立てをした事例です。 不動産を物理的に分けられない場合、裁判所で競売をして代金を分ける方法。 共有持分者が「共有物分割請求」を申し立てるまでに至った経緯は分かりませんが 3名の考え方が最後まで纏まらなかったのでしょう。 私の個人的見解ですが、最後は競売の取り下げが行われ申立人が買い取る形になるのかなぁ~と思います。 なぜなら申立人は業者だから・・・。 3名のうちの1名から持分を買取り、他の2名からも買取しようとしたがうまくいかず最後の手段。と予想します。 皆様も持分でお持ちの不動産がありましたらなるべく共有者と連絡を取り合い、最善の形で活用できるようにすることをお勧めいたします。 「不動産売却でお困りのことがあればNR企画へ~」


